|
次のクルアーンの韻文について考察してみよう。
「かれは2つの海を一緒に合流させられる。 (だが)両者の間には,(アッラーの配慮によって)障壁があリ一方が他方を制圧することはない。」
慈悲あまねく御方 (アッ・ラハマーン) 章:19-20節
アラビア語で書かれた本文の中では、barzakh
という単語は、障壁、仕切りを意味する。この障壁は物理的なそれを意味しない。marajaという単語は文字通り、’they both meet and
mix with each
other(両者は出合い交じり合う。)’を意味する。初期のクルアーン注釈者たちは、この海に関する2つの一見矛盾しているかのように見える趣意を説明することが出来ずにいた。すなわち、一方では出合い、交じり合い、他方では両者の間には障壁があると言う。しかしながら近代科学は2つの異なる海が出合い、かつ両者の間に障壁が存在するまさにその場所をいくつも発見したのだ。障壁は2つの海を分かち、両者が各々の水温、塩分、濃度を保つ役割をしている。今日に至っては、海洋学者たちがこの韻文をさらに適確に説明している。2つの海の間には、傾斜した不可視の水の障壁が存在し、そこから両者の海水は他者へと流れ込んでいるのだ。
しかし、一方から他方へと流れ込んだ海水は、その特質を失い、他方の海水と均質化する。こうしてこの障壁は、2つの海水が過渡的に均質化するエリアとして機能する。このクルアーンの中で述べられている科学的現象はまた、William
Hay博士によって立証された。博士は海洋科学者として非常に著名で、米国コロラド大学の地質科学教授である。クルアーンはまた、次の韻文の中でもこの現象に言及している。
「 誰が,大地を不動の地となし,そこに川を設け,そこに山々を置いて安定させ,2つの海の間に隔壁を設けたのか」蟻 (アン・ナムル) 章:61節
この現象は様々な場所で起こっている。その中にはジブラルタルでの地中海と大西洋の間の障壁も含まれる。しかしクルアーンが淡水と海水の間の障壁について語られているのであり、障壁と合わせて、“急な(険しい)仕切り”が存在することに言及している。
「かれこそは,二つの海を分け隔てられた御方である。一つは甘くして・い,外は塩辛くして苦い。両者の間に障壁を設け,完全に分離なされた」 識別
(アル・フルカーン)章:53節
現代科学により明らかにされたところによると、淡水と海水が出合う河口付近では、海水同士が出合う場所とは幾分異なった状況が存在している。ここで淡水と海水を区別するものは、“2つの層を明確に区別する高濃度のピクノクライン(密度躍層)ゾーン”であることが発見された。この仕切り(分割ゾーン)の塩分は淡水のものとも海水のものとも異なっているのである。
この現象は様々な場所で起きており、エジプトのナイル川が地中海へと流れ込む地点でも見られる。
 
|