預言者ムハンマドを語る

 

 彼がされた旅行

 

預言者ムハンマドはアブー・ターリブによって守られ最大の保護を受けられた。イブン・イサクなどの歴史家や伝記作家によると、アブー・ターリブは彼の甥が10歳か12歳のころ、貿易キャラバンでシリアに連れて行った。彼らはダマスカス付近のある場所で止まり、預言者ムハンマドが一番年下であったから、キャラバンを見張っているように言った。キャラバンはその時近くの修道院の修道士から注意深く観察されていた。その者は、最後の預言者の到来を、期待していた。バヒラという名のこの修道士は、雲がキャラバンの後についてきて、キャラバンが止まったときには止まり、それが動き出すとそれについて動き、彼らの頭上に影を作っているのを見た。これは預言者の特徴だ、このキャラバンの中に待たれている預言者がいるに違いない、とバヒラは考えた。キャラバンが修道院の近くで泊まったとき、バヒラは彼らを食事に招いた。彼は、雲がまだキャラバンを覆っているのに気づいた。

 

彼はアブー・ターリブに、誰がキャラバンに残っているのかとたずねた。アブー・ターリブは、小さな少年がキャラバンを見張る為に残っているだけだと答えた。修道士は彼を連れてくるように頼んだ。ムハンマドがきたとき、バヒラはアブー・ターリブを端に連れて行き、その少年との関係を尋ねた。私の息子だとアブー・ターリブは答えた。バヒラはこれに異議を唱えた。「あなたの息子であるはずはない。我々の本によれば、彼の父親は彼が生まれる前に死んだに違いない。」それから付け加えた。「アドバイスさせてほしい。この子を連れてすぐに戻りなさい。ユダヤ教徒はうらやんでいる。もし彼らが彼を認めたら、彼に危害を加えるだろう。」アブー・ターリブは他のメンバーに弁解して、甥とともにマッカに帰った。


バヒラは正しかった。ただ知らないことがあった。ムハンマドは「アッラーは(危険をなす)人々からあなたを守護なされる。」(食卓章5/67)に言われるようにアッラーによって守護されていた。


預言者の二度目の旅行は、25歳の時だった。この時は奥様ハディージャが派遣したキャラバンについての旅だった。当時彼女とは共同に仕事をされていたのである。この旅行でも、バヒラと出あった。彼はかなり年をとっていた。預言者を見て大変驚いた。なぜなら彼はこのような日がくることをずっと待っていたのである。預言者に、「あなたは預言者となるであろう。ああ、私もその時まで生きられればいいのだが。そしてあなたにつかえることができればいいのだが」といった。彼はその日を見ることはなかった。だがこの行為が、天国における彼の地位をよいものにすることは間違いないことであろう。

 

 

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